こんにちは。占い師の北川サンゴです。

あなたは占いと心理カウンセリングの違いってわかりますか?

占い師が心理カウンセラーもやっていたり、心理カウンセリングの中にヒーリングや気功が含まれていたり、何が違うのかよくわからないと思いませんか?

あと、人生相談とカウンセリングってどう違うのでしょう?ややこしいですよね。

今回は占いと心理カウンセリングの違いをご説明したいと思います。

おおざっぱに言うと

  • 相談者の悩みに答えを出すのが人生相談(占い)
  • 相談者の悩みを聴くことに特化してるのが心理カウンセリング

おおざっぱに言うとこのような違いがあります。

まず「人生相談」と「心理カウンセリング」という2つの種類があるわけです。そして占いは人生相談の一種です。

これはどのような意味かというのを以下に詳しくご説明します。

カウンセリングの歴史と理論

はじめは宗教だった

カウンセリングの元となったのは勘の良い方なら予想はつくでしょう。そうです、宗教が最初です。

例えば手塚治虫のブッダの漫画には主人公のゴータマ・シッダールタ(ブッダ)に対して悩みを相談しに来る人がたくさん出てきます。

ブッダはそれに対して自らが発見した「悟り」の教えを相談者に教えるわけです。そうすると相談者は「道が開けた」「光が見えた」と喜んで帰っていくわけですね。

これが最初のカウンセリングだったのです。

日本人は宗教というと「お賽銭を投げたらご利益もらえる」「南無阿弥陀仏と唱えたら極楽に行ける」みたいな即物的な物を想像しがちですが、もともとは宗教というものは「人生の方法論を教えてもらえる」というお勉強の場所だったのです。

ここから人間は「人の悩みを他人が解決する方法」の探求をすることになります。

悪魔祓い

現代日本では精神疾患の患者が400万人いるとか言われてますが、これは今に始まったことではありません。

科学が発展する前から精神疾患(ノイローゼ)の患者はいたわけです。

ノイローゼというのは今で言う強迫性障害に近い。突然奇妙な行動を取り始めるのです。

例えば意味のないタイミングで意味のない行動を執拗に取る。恐れる必要が無いものを過剰に恐れる。何も不安なことが無いのになぜか極端に不安を感じ、手がしびれたり動悸がしたりという身体症状が出る、とかですね。

そのような少しおかしくなったような相談者を宗教的な教えで解決しようとしても無理があります。

なぜならそのような宗教の教え活動というのは相手が精神的にまともであることが前提になっていて、常人では計り知れないような異常行動を取るようなケースはあんまり想定してないんですね。

そこで、どうなるかというと魔術(オカルト)の方向に行くわけです。

「拝む」わけですね。「おかしくなったのは狐が憑いてるから」とか「悪魔が憑いてるから」というふうに理論立てて、聖水をふりかけて聖言を唱えたり、火を焚いてひたすら祈祷したりです。

現代の価値観から見ると馬鹿らしいですが、これでなぜかノイローゼが治る人もいたわけですね。なぜ魔術で治るかはこの後説明します。

精神分析の登場

このように長らく人間は心の問題を宗教や魔術に頼ってきました。

ケプラーやニュートンやガリレオたちの科学革命などがあり、近代科学の時代になってもなおその傾向は消えませんでした。人間の心の問題は力学などと違って曖昧模糊としていて形が無く、近代科学で扱うには難しすぎたからです。

科学(医学)が人間の心の問題に着手するのは20世紀に入ってからのことです。ジークムント・フロイトという偉い精神科医が最初です。

フロイトというお医者さんは弟子がドン引きするぐらいゴリゴリの科学信者でした。人間の全ては機械のように完全に法則的に解明できると信じていたのです。

「ノイローゼの患者には自分でも気づいてないような心の原因が何かあるんではないか?」とフロイトは考えました。

そして患者の生い立ちやノイローゼになる前の出来事を細かく患者本人に聴いていったのです。

そうすると患者が幼い頃にこんなことがあったとかあんなことがあったとかいろいろ原因っぽいものが出てくるわけですね。

それを見たフロイト先生は「人間には自分でも気づいてないような悩みがある」ということに気づいたのです。

「無意識」という概念の成立ですね。

フロイト先生はその後も患者の話を聴いて「この症状は心のこれが原因、あれが原因」と心の分析をする手法を研究しました。

「精神分析学」の誕生です。

ところがこれがなかなかうまくいかないのです。

確かに分析は非常に捗り、人間の心の構造が明らかになっていきました。しかしそれが治療に結びつかない。

理論通りに分析しても、治る人と治らない人がいる。

これはおかしいぞと。

分析って実は治す力は無いんじゃないのかと。

精神分析学は哲学や精神医学などさまざまな分野の科学から疑念の目を持たれ、非主流の治療法として忘れ去られていきました。

現代では精神分析学を取り入れる医者はほとんどいなくなっています。

非指示的カウンセリングの誕生

その後、1940年代のアメリカでカール・ロジャーズという臨床心理学者が始めてカウンセリングという概念を提唱しました。

ロジャーズ先生は精神分析学を改めて批判検討し「治療の効果があるのは分析したからではなく、分析のために話をよく聴いたからなのでは?」と気づきました。

今まで書いてきたように宗教、魔術、精神分析とあらゆる方法で人間の悩み解決が行われてきましたが、どれにも共通する要素は「相談者の話を聴く」ということです。

お医者の偉い先生や偉い教祖様や高名な祈祷師の先生が一生懸命に話を聞くと「こんなにも熱心に私の話を聞いてくださった」とそれだけで心が洗われるわけです。

そこでロジャーズ先生は「聴く技術(積極的傾聴技法)」を研究し、徹底的に話を聴くだけの治療法(来談者中心療法)というものを考案したのです。

これが現代のカウンセリングの原型となっています。

来談者中心療法が画期的だったのは人間が数千年間続けてきた「悩んでる人には解決法を与える」という治療法を捨てた点にあります。

人間の心というのは不思議なもので、ちゃんと自然治癒力が備わっています。

ただ話を聴いて心を浄化してやるだけでちゃんと自分で解決できるようになっている、というのがロジャーズ先生の考えです。

ただ「聴く」と言うとなんだか非常に簡単に聞こえますが、これが非常に難しいのです。

人間というのは他人の悩みを聴くとどうしても「あーだこーだ」と教えたくなるものなんですよ。

それはなぜかというと他人の悩みを聞くのはしんどいからです。

悩みというのは火事の炎みたいなもの。人間は家が燃えてるのを見ると「消さなきゃ!」と思ってすぐ消したくなる。

ところがカウンセリングというのは相手の家の炎の中に飛び込んでいくような作業なわけですね。

よって心理カウンセラーにはかなりの心理的負担がかかります。

これは占い師がよく言うんですが「お客さんの悩みや愚痴を聴いてると念をもらって体調が悪くなる」とかね。あながち根拠のない話でもないんですよ。

占いの歴史と位置づけ

占いは人間の本能

占い師は世界最古の職業に近いと言われており、組織的な創唱宗教などができるはるか以前から占いは行われてきました。

世界最古の占いの記録は紀元前2350年ごろのメソポタミアです。占星術の記録が残っているそうです。

ですが、北川の考えではもっと本能的で根源的な占いはもっとずっと以前から行われていたのではないかと思います。

例えばまだ物心ついて間もないような子どもでも花びらをちぎって好きな男の子が自分を好きか嫌いか占ったりしますよね。あとは靴を放り投げて表か裏かで明日の天気を占ったりとか。

そういう遊びのような原始的な占いって人間が本能的にやるものだと思います。

そのような占いならおそらく人間が猿に近いころからやってたんじゃないかなぁと北川は思いますね。

政治経済と結びつく

占いはその後、政治や経済と結びつきました。

かつて日本列島には邪馬台国という国がありましたがその国の女王は占い師でした。

彼女は「鬼道」という占いを使って雨の降る時期などを予測していたようです。

なぜ雨を予測するかと言うと農業に影響するからですね。

占いは当時の人達にとっては経済学で、それに基づいて政策が決定されていたのです。

また、平安時代には陰陽道という占いが盛んになり、これによって判断された吉凶を元に政治的決定が下されていました。

近代化によって国家が公式に占いに頼ることは無くなりましたが、それでも影の存在としての占い師は残り続けました。

現代では占いは人生相談化

そのような歴史を経て、今では占い師は大衆のためのエンターテイメントとなりました。

日本では占いの市場規模は1兆円を超え、ITを活用した電話占いやチャット占いが盛んになるなどまだまだ市場は拡大しつづけています。

そのような現代の占いが何に活用されてるかというとだいたいが人生相談です。

「彼は本当に私を愛しているのか?」とか「彼とは結婚できるだろうか?」とかそういうことを占い師に相談するわけです。

「占い師はコロナウイルスを予言できなかったじゃないか」と言ってた芸人がいましたが、現代の占いは個人相手のエンタメであってそういう自然現象の運行を占うような仕事じゃないわけですね。卑弥呼の時代じゃないんですから。

占いがなぜ人生相談になるかと言うと「答えのない問題でも答えが出せるから」です。

「彼は本当に私を愛しているのか?」というのは彼にしかわからないわけです。いや、もしかしたら彼自身もわかってないかもしれない。

彼に「私のこと愛してる?」と聞いてもめんどくさそうに「あー、愛してるよ」と言うだけですね。彼が本当に愛してるのかというのは誰にも証明できず、答えのない問題です。

そこで占い師に相談すると、カードを何枚か引いて「うん、これこれこういうカードが出たから愛してますね。大丈夫よ」と答えを出し、相談者を安心させるわけですね。

もちろんこんな投げやりな感じで占う占い師はおらず、実際はもっとお客さんとのコミュニケーションを重視してやってるわけですが、ごくごく簡略に説明するとこんな感じなわけです。

まとめ:占いと心理カウンセリングの違い

長々と説明してきましたが占いと心理カウンセリングというのは歴史的経緯から見て以下のような思想の違いがあるわけです。

占い:答えのない問題に答えを出し、心を解きほぐす。
心理カウンセリング:答えのない問題に答えを出さず、心を解きほぐす。

北川の占いはあくまでも占いなので明確に答えを出しますが、カウンセリング的にやったほうが良いと思われるお客様にはカウンセリング的にやります。

例えば「占いよりも話を聞いてもらいたいお客様」とかですね。

ときどきいらっしゃるんです。そういうお客様には積極的傾聴技法を使って話をお聞きします。